ストレスを感じると、そのストレスをごまかそうと、「もっと食べたい」と指令を出す脳。そんな脳に振り回されず、楽にダイエットを成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか?調べてみました!
ストレスをごまかすために食べ続ける脳
脳の欲求には、「食欲」「のどの渇き」「体温調整」などの生物学的欲求があるのですが、こういう原始的な欲求は、それを解消するための行動、つまり、食べる、水を飲む、体を温める(もしくは冷やす)行動を起こせば、脳はたちまち満足します。
ただ、その一方で、「他人に認められること」「愛されること」「褒められること」など、生物学的欲求よりも高度な社会的欲求が認められないことは、脳にとって大きなストレスとなるため、脳は、即座に自分を癒やしてくれる原始的な欲求(食べる、飲むなど)を満たすことで、「快」の感情を得て、社会的欲求が満たされないストレスをごまかそうとします。
これが、「脳が自分の報酬系を活性化する」ということなのですが、脳がどのように「快」の感覚を得ようとするのかというと、例えば、脳が喜ぶことをすると、脳内の特定の部位が興奮します。すると、人の幸福感をつかさどる脳内伝達物質である、ドーパミン、セロトニンなどが増えて快楽中枢が刺激されます。脳は、この幸福感を得たいため、再び快楽を求めるようになるのです。
腸の声に耳を傾けよう
そういうわけで、こう言っては何なのですが、脳は自分の報酬系を満足させるために、食べたり、飲んだり、体を動かしたり、おしゃべりをしたり、ぐっすり眠ったりと、極めて原始的な行動を好み、自分の報酬系を満たせるならば、他の臓器がどれほど負担を強いられてもおかまいなしといった、自分勝手な臓器なのです。
そこで、このような脳の欲求を遮断するために、食べてストレスを解消する傾向のある人は、お菓子などの間食用の食べ物を身近に置かない、といった原始的な方法が、とりあえず、有効です。
そして、次にすることは、「腸の声に耳を傾ける」ということです。
「腸は常に思考していて、脳にメッセージを送っている」というのは突拍子もない考えに感じますが、私達は、脳の「食べたい」という欲求に従ってものを食べている限り、健康的に痩せることはできません。というのも、頭で考えている限り、脳の「食べたい」という欲求を静止できないからです。(頭で考えてするダイエットを想像してみてください。食べたいという欲求をムリヤリ我慢しているだけなので、熱意は途中で尽きてしまい、結局どか食いしてしまうのです)
腸と脳はつながっている!相互作用の関係!
「異常な食欲はストレスで脳の暴走?メカニズムは?」でも書いたのですが、脳を始め、すべての臓器は腸から派生したものです。つまり、腸は脳のお母さんのようなもの。
そう、脳をコントロールできるのは、考えることができる臓器、腸だけなのです。
脳と腸は切り離すことができない密接な関係にあり、脳から腸へ信号が伝達されるように、腸から脳へも信号が伝達されています。
つまり、腸で考えたことは、脳にダイレクトに伝わるのです。そして、幸いなことに、腸と脳、どちらに主導権を握らせるか、私達は自分の意志で自由に選ぶことができます。そのためには、「本当に、今、これが食べたい?」と、いつでも腸に問いかける習慣を持つことが大切です。
余談ですが、全身麻酔をかけて手術をした後、お医者さんが最も重要視するのは腸の動きだそうで、腸が動いていればお医者さんはまず、一安心するそうです。(手術の経験がある人はお分かりですね)
腸閉塞は放置すれば死に至る病気で、腸が動かなくなると人間は生きていけません。
しかし、反対に、脳は死んでも、腸は脳から独立して働き続けることができるため、腸が元気なら、人は生き続けることができるのです。
近年、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、がんなどの治療に、腸の動きを良くすることが注目されています。私達は今まで、ちょっと脳を買いかぶりすぎていたのかも(^^;)
脳の誤った判断に、腸をムリヤリ従わせて、腸の機能を低下させている・・・いわば、できの悪い子どもに振り回されている親子のような関係です。当然、こうなると、親も調子が狂ってしまいますよね。
そうならないためにも、親である腸に、しっかりと音頭をとってもらえるように、腸の声に耳を傾け、腸の判断に従うようにすれば、ダイエットを始め、様々な病気が治癒に向かうのでは・・・と思います。