体脂肪は必要!3つの役割は?内臓脂肪皮下脂肪の違いは?からの続き

私達の体にとって重要な役割を果たしている体脂肪。この体脂肪の中にダイエットを成功させる脂肪細胞が存在しているようです。それは一体何なのでしょうか。そして、なぜ増えてしまのでしょうか?詳しく調べてみました!

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体脂肪の種類

ダイエットの鍵を握る細胞には、

  • 白色脂肪細胞
  • 褐色脂肪細胞

の、2種類の細胞があります。

それでは、それぞれがどのような役割をするのかご紹介しましょう。

白色脂肪細胞が過剰なエネルギーを蓄積する


まず、白色脂肪細胞とは、皮下や内臓に分布し、脂肪を蓄える「油滴」を持っている脂肪細胞のことで、脂肪が蓄積されると油滴もそれに応じて大きくなることから、たくさんの脂肪を蓄積することができます。

もっとわかりやすく言えば「脂肪の貯蔵庫」のような役割をしています。

また、体中の脂肪は白色細胞の中に溜まることから、普通、
「脂肪細胞」というと白色脂肪細胞のことを差し、

脂肪が少なくなれば、油滴も小さくなることから、痩せるためには、
ダイエットをして、この油滴を小さくすることが大事なのだそうです。

褐色脂肪細胞の場所は肩甲骨?


そして、褐色脂肪細胞とは、首、脇の下、肩甲骨周囲など特定の場所に局在する褐色をした脂肪細胞のことをいい、分解されるとエネルギーを発し、このエネルギーの大部分は熱になるため、寒い時に体温をさげないように熱を出して体を温めてくれる、つまり、「体温保持のための熱源」という役割を担っています。

褐色脂肪細胞の油滴は小さく、大きくなることができないため、多少の脂肪を蓄えることができても、たくさんの脂肪を蓄えることができません。なので、褐色脂肪細胞に脂肪が蓄積して肥満になる、ということはないようです。

このように、脂肪を分解(燃焼)する褐色脂肪細胞なのですが、加齢とともに減少し、赤ちゃんの時は100グラムほどあるのに、成人になると40グラムほどに減少してしまうことから、代謝が低下し、中年太りの原因になってしまうと、考えられています。

そこで、寒い環境に身をおいたり、運動をしたり、辛い食べ物を食べると、その刺激が脳に伝わり、交感神経系のホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が分泌され、褐色脂肪細胞が活性化して痩せやすくなるそうです。

寒い環境をつくる、というのはなかなか難しいですが、運動や、辛い食べ物を食べる、というのは、日常生活の中にも取り入れられそうですね。

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白色細胞の増える時期は?分化?


以上の話から、ダイエットを成功させる鍵を握っているのは、エネルギーを中性脂肪として蓄積する白色脂肪細胞だということがわかりました。

白色脂肪細胞は、少し前までは、乳幼児期や思春期など、限られた時期にしか増殖せず、その時期に生涯の数が決定すると言われていたのですが、最近の研究で、乳幼児期や思春期の発育や発達の時期だけではなく、食べ物や運動、生活習慣など、環境によって、一生起こり得ることが明らかとなっています。

そこで、まず、白色脂肪細胞がどのように大きくなっていくのかみてみると・・・

「脂肪芽細胞」と呼ばれる未成熟な細胞が生成。
⇒その未成熟な細胞が増殖し、「前駆脂肪細胞」と呼ばれる細胞になる。
⇒その増殖した「前駆脂肪細胞」が「脂肪細胞」と呼ばれる特殊化したタイプの細胞に変化。
⇒その変化した「脂肪細胞」に脂肪が蓄積し成熟する。

この増殖過程の中で、増殖の鍵を握っているのが、
「脂肪芽細胞」と呼ばれる未成熟な細胞の生成と増殖で、
その未成熟な細胞が増殖すると、「前駆脂肪細胞」と呼ばれる細胞になります。

つまり、細胞分裂のある時期に増殖の条件が整うと(食べ物、運動、生活習慣、環境など)脂肪細胞がものすごい速さで増えていくことが、マウスによる実験で明らかになっています。

増殖因子「PAGF」


ところで、前駆脂肪細胞を増殖させる因子のことをPAGFと言うそうで、このPAGFは、人を含む哺乳動物の脂肪細胞のいたるところに存在しているそうです。

また、PAGFは前駆脂肪細胞を増殖させることに特化しているので、

(ほかの細胞にはほとんど増殖作用を示さない)

私達が食事などで過剰なエネルギーを摂取し、体がエネルギーを脂肪として蓄える準備をしようとすると、PAGFが「前駆脂肪細胞」にさかんに増殖を促します。

ただ、前駆脂肪細胞は、あくまで未分化の細胞であり、この時点では、脂肪を蓄積することはできないのですが、

PAGFの作用で増殖した前駆脂肪細胞は、脂肪細胞に変化する直前の段階の状態、つまり、脂肪細胞に変化するスタンバイ状態に入ります。

この状態で、細胞の変化を促すような刺激があると、一気に前駆脂肪細胞は特殊化し、成熟した脂肪細胞に変化。

すると、脂肪の蓄積が始まってしまいます。

私達の体の中には、このようにスタンバイ状態の前駆脂肪細胞が、
たくさんあるといわれており、

このスタンバイ状態に刺激を与えないようにするには、食べ物、運動、生活習慣、環境などを整えることが大切なのだそうです。

しかし、不運にもスタンバイ状態が解かれ、一気に成熟した脂肪細胞には、いったい、どのように脂肪が蓄積されていくのでしょうか。

少し難しい話が続きますが、このメカニズムを知ることが、体脂肪を理解する早道となるので、もう少しお付き合いくださいませ。

糖質脂質が脂肪として蓄積するメカニズムは?場所は?へ続く

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