以前、獣毛ブラシについて紹介しましたが、最近、柘植(つげ)の櫛(くし)にも、髪の毛がサラサラになる効果があることを知り、興味を持ちました。
特に、寒い冬は、乾燥や静電気で髪の毛がパサつき、傷みがちになるので、念入りなケアが必要だと思い、獣毛ブラシとともに、つげ櫛を必須アイテムにしたいと、思い始めたのです。
そこで、昔、母の鏡台にしまってあったつげ櫛のことを思い出し、母に尋ねてみたところ、すでに姉にあげてしまったとのこと。
さすが、姉妹、考えることは同じだったようです(^_^;)
ということで、姉に一足先に持っていかれてしまったため、
私は新たに購入しようと思うのですが、
その前に、つげ櫛について調べてみることにしました!
つげ櫛とは?
そもそも、「つげ櫛」とは、
常緑広葉樹である「つげ」という小さな木で作られた櫛(くし)で、
つげの木は、
・かたくて強い
・割れにくい
・しなやか
という性質を併せ持っており、さらに、木目がとても細かいことから、
古来よりくしの他に印鑑や細工物に重宝されてきたのだそうです。
その歴史は古く、なんと、日本最古の和歌集「万葉集」
(7世紀後半から8世紀後半)にも登場しています。
ちなみに、つげ櫛を詠んだ和歌をご紹介すると・・・
君なくは、なぞ身(み)装(よそ)はむ、櫛笥(くしげ)なる、黄楊(つげ)の小櫛(をぐし)も、取らむとも思はず
(あなた様がいらっしゃらないなら、どうして身を装ったりするでしょうか。櫛箱(くしはこ)の黄楊(つげ)の小櫛も手に取ろうとは思いませんわ。)
朝月(あさづき)の、日向黄楊櫛(ひむかつげくし)、古(ふ)りぬれど、何しか君が、見れど飽かざらむ
(日向(ひむか)の黄楊櫛(つげくし)のように古い間柄ですが、どうしてあなた様は、いつまでも飽きることがないのでしょうか。)
(※日向(ひむか)は現在の宮崎県)
つげ櫛は、当時、女性にとって、
とても大切なアイテムであったことが分かりますね♪
くしとブラシの違いは?
ところで、皆さんは、くしとブラシを使い分けているでしょうか。
私は普通のくしで髪をといた後、仕上げに獣毛ブラシでブラッシングし、艶を出すようにしているのですが、厳密にはどのような違いがあるのか調べてみると・・・
くしは、髪の毛をとかしたり垢やほこりを取る
ブラシは、髪を整えたりスタイリングに使う。マッサージ効果がある。
とのことなので、まずは、つげ櫛で髪をとかし、次に獣毛ブラシでブラッシングすると、ダブルの効果が期待できるかもしれませんね。
値段で違いがある?
ダイソーのつげ櫛
「よのや」のつげ櫛(国産29800円~)
ところで、つげ櫛を実際に購入しようと調べてみると、100円ショップで売っている安価なものから、数万円する高価なものまで実に様々。
実際に値段によって違いがあるのでしょうか?
調べてみたところ、100円ショップで売っているつげ櫛は、実は本物のつげではなく、材質のよく似た外国産の木なのだとか!(つまり偽物)
また、外国産(輸入物)は「代用つげ」と呼ばれるものを使用しており、こちらも、本物の柘植ではないようです。(ほとんど機械で作っている)
ということで、やはりお値段は高価になりますが、国産の柘植(つげ)が良いようです。
というのも、国産のつげ櫛を使うと
・とても丈夫なため、一生物である
・静電気が起きない
・肌の当たりが良く、年月がたつほど使いやすくなる
・手作りのため櫛歯の角を丸めて髪の毛が傷まないように削っている。(機械削りでは不可能)
・木目が美しい
・年月が経っても汚い感じにはならず、美しく古びた感じになる。
なんだかますます欲しくなってきました。
一生大事に使えそうですね♪
サイズは?選び方は?
つげ櫛といえば、上記の写真のようなイメージがあるのですが、
サイズはどんなものがあるのでしょうか?
調べてみると、
つげ櫛にもサイズはいろいろあるようで
代表的なサイズは、
・3寸(9センチ)
・3寸5分(10.5センチ)
・4寸(12センチ)
・5寸(15センチ)
・5寸5分(16.5センチ)
(1寸は3センチ)
などがあり、
自宅で使う場合や、手の大きい方、髪の毛の多い方は、
5寸のものを、
カバンに入れて携帯したい場合や、手の小さい方、髪の毛の少ない方は、
3寸のサイズが良いようです。
用途は櫛歯で決める?!
ところで、つげ櫛の歯と歯の間の隙間のことを、
「手挽き」または「機械挽き」というそうですが、
国産のつげ櫛は、職人さんの手作りのため「手挽き」と呼び、
機械を使って挽く製法は「機械挽き」というそうです。
どのような違いがあるかというと、
「手挽き」の方が「機械挽き」に比べて、歯と歯の間が狭く、くしでとかした時に、髪についている小さなゴミやフケをきれいに落とすことができるそうなので、特に髪がまっすぐな人(パーマをかけていない人)は、「手挽き」の方が良いそうです♪
つげ櫛のお手入れ方法は?
それでは、気になるつげ櫛のお手入れの仕方なのですが、
① つげ櫛全体に椿油をつけて、歯ブラシでこすってなじませる
② 20~30分そのままにしておく
③ 浮き上がった汚れを歯ブラシでしっかりとかき出す
④ つげ櫛全体を布で拭き取る
⑤ さらに、3~4時間おく(椿油がつげ櫛にしみこんで光沢が出るそうです。)
このお手入れを1ヶ月に1回することで、
美しい状態を保つことができるそうです。
また、つげ櫛は、「水は厳禁」とのことで、
絶対に水洗いしないように気をつけてください!
水分を含むと歯が曲がってしまい、使えなくなってしまうとのことなので、
椿油でお手入れすることを忘れないようにしたいですね♪
さて、いかがでしたでしょうか?
日本古来より愛用されてきたつげ櫛に、
こんな髪の毛サラサラ効果があるなんて素晴らしいですね!
ますます欲しくなってきました。
お手入れには少し時間をかけなければいけませんが、
手間暇かけることで余計に愛着がわきそうです。
購入したら、またレポートしたいと思います♪