私は長年、肌の湿疹、じんましん、炎症などで、かゆみに悩まされてきました。

かゆくなると、がまんできずに掻(か)いてしまうのですが、すると、とても気持ちいいという感覚に襲われて、どんどん掻き続けてしまう、という悪循環に陥ります。

かといって、かゆいのを我慢していても、結局、かゆみは引かず、ずっとかゆいままなので、

「ストレスをためるよりは、いっそのこと掻いてしまえ!」

と、悪魔のささやきが聞こえてきて掻いてしまうのです。

もしこれが痛みであれば、できるだけ触らないようにすると思うのですが、掻くと気持ちがいいことからついつい手が・・・というのが、かゆみの辛いところ。

ある意味、かゆみは痛みよりも苦痛かも、と思ってしまいます。

一体、このかゆみとは何なのでしょうか?

今回は、かゆみについて調べてみました!

かゆみのメカニズムは?

皮膚にはかゆみを感じる神経があり、それが何らかの刺激を受けると、その刺激が脊髄を介して脳に信号を送ります。それと同時に、脳はかゆみを感じさせる何かがあると神経の末端にも知らせることで、「神経ペプチド」と呼ばれる神経伝達物質を放出し、「肥満細胞(マスト細胞)」を刺激。すると、肥満細胞から「ヒスタミン」という物質が分泌されかゆみを引き起こすのだそうです。

かゆいところを掻くと気持ちいいのはなぜ?

それではなぜ、かゆいところを掻くと気持ちよいのでしょうか?

自然科学研究機構生理学研究所が解明した脳内メカニズムによると、掻くことで、脳の中脳や線条体といった、「報酬系」と呼ばれる場所が活性化し、
快感を感じていることがわかったそうです。

この「報酬系」は通常、欲求が満たされたり、欲求が満たされることが期待できる時に、
快感を起こす仕組みで、人間はこの快さに導かれて、様々な行動をとっているのだとか。

もし、脳が、掻くことを快感だと認識しなければ、過度に掻きすぎることがないことから、
アトピー性皮膚炎などの新たな治療法が期待されているそうです。

命に関わらないせいか、かゆみは痛みに比べて軽く見られてしまいがちで、かゆみについてはほとんど研究が進んでいないのが現実ですね・・・

掻くことは悪いこと?

そもそも、掻くことは、本当に悪いことなのでしょうか?

「掻くと悪化する」「掻かなければ治る」
と昔からよく言われていますが、

近年、掻くことを勧めている皮膚科医もいるようです。

その理由というのが、掻くことによって老廃物の排出を促している、掻きたいのを我慢するという不必要なストレスを感じなくてすむ、というのが主な理由のようです。

さらに、皮膚科医の有沢祥子先生は、かかないで我慢することは、一生懸命老廃物や炎症細胞を浄化しようと働いている肝臓や腎臓にダメージを与えてしまう、つまり、体に大きな負担をかけてしまうため、分泌液が出るまで掻くことをオススメしているほど!(先生によると、亜鉛を多く摂取するとかき壊した傷もキレイに治ることから心配しなくて良いとのこと。)

アトピーが消えた、亜鉛で治った

確かに、私自身の経験から言うと、かゆいところを掻かずに我慢していても、結局、かゆみは治まるどころか、悪化するし、湿疹も赤く腫れてくるので、どうせ悪化するなら、我慢してストレスを溜めるよりかは、掻いて少しでもストレスがなくなるほうが、
いいのではないか、という思考回路になります。

そして、掻いていようが、掻いていまいが、治らない時はずっと治らないし、治る時がくれば、自然にきれいに治ってしまうのです。

ただ、掻く時に、私が注意していることがあります。

それは、

・爪は短く切る
・手袋をしてかく

です。

爪でひっかくとバイキンが入りやすくなってしまうので、どうしてもたまらず掻く時は手袋をするのが一番良いのですが、なかなか手袋をする余裕はありませんよね。そこで、結局は爪で掻いてしまうのですが、
それでも長い爪と短く切った爪で掻くのとでは、皮膚への刺激が全然違います!

・・・と、ちょっと掻くことを推奨してしまいましたが、あのかゆみは本当に発狂しそうなほどなので、我慢というレベルを超えているというのが本音。掻くことを我慢することはさらなるストレスを呼び、本当に気が狂ってしまうかもしれません。

しかし、もともと、かゆみとは、肌に異物を感じた脳が、「掻いて、老廃物の排出を手伝ってほしい」というサインでもあり、快感を伴うことで、もっと掻いて、老廃物の排出を促進しようとする側面もあるそうなので、かゆいときは適度に掻いてやり過ごしながら、かゆくならないよう、体質改善に務めることが大切なのかもしれません。

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